2025 .07.05
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2012 .02.26
民主、自民両党に「維新八策」を批判する資格はない
【高橋昌之のとっておき】 橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」の事実上の次期衆院選マニフェスト(政権公約)となる「維新版・船中八策」(たたき台)が明らかになり、与野党各党からは評価する声の一方で、批判も出ています。批判の多くは「実現できるはずはない」というものですが、私はそうは思いません。これまでの政治が本気で取り組んでこなかっただけの話であって、その観点から既存政党は批判する資格はないと思います。
明らかになった「維新版・船中八策」は、行財政改革や経済・財政、外交・安全保障などのほか、首相公選制や参院廃止も含めた参院改革など憲法改正を必要とする政策も盛り込んでいます。目指すところは「決められない政治」から「決める政治」への転換で、そのこと自体は私は大賛成です。
これに対し、安住淳財務相は「現実の政権運営は国民の暮らしと日々向かい合いだ。中長期的な『べき論』を言っている段階ではない」、自民党の石原伸晃幹事長も「参院廃止も首相公選制も言うのは簡単だが、憲法改正の過程がないと成就しない」と批判的な見解を示しました。
しかし、こうした「実現できるはずがない」という批判を、既存政党とくに民主、自民の二大政党の議員がする資格はありません。
そもそも綱領に「新憲法制定」を掲げる自民党の幹事長が、「憲法改正は難しいから実現性がない」という趣旨の発言をするのは、自己否定しているようなものです。昭和30(1955)年に保守合同で自民党が誕生したのは、「自主憲法制定」を目指したからにほかなりませんが、その後、自民党は本気で憲法改正を実現しようと取り組んできたとは言えません。
その点でいえば、「維新版・船中八策」は、憲法改正についても道筋を示しています。それは憲法96条の発議要件を国会の「3分の2以上」の賛成から「2分の1以上」の賛成に緩和するということです。
私は「早期に憲法を改正すべきだ」と考える一人ですが、その厚い壁になっているのが、96条の発議要件です。一度に理想的な憲法改正が実現できれば、それにこしたことはありませんが、改正の一言一句まで国会の3分の2以上の賛成を得るのは、現実の政治では不可能と言わざるをえません。したがって、私はまず1回目の改正は、96条の発議要件の緩和のみを行って、抜本的な改正はその後に行うべきだと考えています。これなら、かなり実現性はあるのではないでしょうか。
さらに、発議要件が国会の2分の1以上の賛成になれば、各党とくに政権獲得を目指す政党は、憲法をどう改正するのか示さざるをえなくなります。すると、党内や国会での憲法論議も「机上の空論」ではなく「現実の論議」となり、国民も憲法改正を真剣に考えるようになるでしょう。
昨年6月にようやく民主、自民両党などの保守系議員が「憲法96条改正を目指す議員連盟」を設立しましたが、これはあくまで有志議員であって、両党が党として方針を決めているわけではありません。こうしたことを考えると、やはり民主、自民両党に「維新版・船中八策」を批判する資格はありません。
首相公選制や参院廃止も含めた参院改革などは、発議要件の緩和によって憲法改正の実現性を高めたうえで、議論すればいいと思います。私も首相公選制や参院改革については意見がありますが、まずは真剣に議論することが重要です。そして、憲法改正は発議されれば国民投票が行われますから、最終的に決めるのは国民です。これらの「国の意思決定システム」をどうするか、国民の判断に委ねることはいいことだと思います。
一方、安住氏のような「中長期的な『べき論』を言っている段階ではない」という批判は、まさに民主党が政権政党としてふさわしくないことを示しています。
民主党は党の理念と基本政策を示した「綱領」をもたないまま、個別政策をマニフェスト(政権公約)に掲げて政権を獲得しました。しかし、同党は理念と基本政策で一致していませんから、普天間移設や消費税増税など国の根幹にかかわる重要問題ほど、党内では意見がまとまりません。また、中長期的な「べき論」がないまま、個別政策を決めていたら、国家としての整合性がとれなくなります。
それこそ民主党政権が混乱している要因です。そんなことも分からないで、安住氏が財務相を務めているとしたら、国の根幹である財政政策を任せるわけにはいきません。
さらに安住氏は「現実の政権運営は国民の暮らしと日々向かい合いだ」とも語りましたが、マニフェストに掲げた政策をほとんど実現できていない民主党は、まさに政権政党失格です。
「維新版・船中八策」に対して、民主、自民両党からこうした反応が出るのは、両党が今の「決められない政治」に安住し、党利党略ばかりを考え、「決める政治」を行う意思がないからにほかなりません。二大政党である両党の議席数を考えれば、両党が国家、国民のことを考えて本当にやる気になれば、憲法改正だけでなく、さまざまな重要課題も解決できるのですから。
しかし、国民は今の「決められない政治」に辟易(へきえき)としていて、「民主党もダメだが、自民党もダメ」という閉塞(へいそく)感に満ちています。そうした中で、賛否両論を巻き起こしながらも、大阪都構想や大阪市改革に果敢に取り組む橋下氏に、人気が集まるのは当然のことでしょう。
橋下氏や同氏率いる「大阪維新の会」の人気は「一過性のもの」「地域的なもの」ととらえる向きもありますが、私はもっと根源的な要因があると思っています。したがって、もし民主、自民両党が「決められない政治」を続けたまま、衆院解散・総選挙が行われたとしたら、両党とも過半数の議席には大きく届かず、「大阪維新の会」をはじめ保守系の第3勢力が一気に勢力を拡大することでしょう。
もし、それを機に政界が再編成されるなら、いいことではないでしょうか。私はもはや民主、自民両党の二大政党の枠組みでは、日本の政治は「決められない政治」から「決める政治」に変われないと思っているからです。
もし、民主、自民両党が二大政党として生き残ろうと思うなら、自らが変わらなければならないラストチャンスだという危機感をもつべきです。橋下氏にすり寄ったり、自己否定につながる人ごとのような批判をしている場合ではありません。
(この記事は政治(産経新聞)から引用させて頂きました)
【高橋昌之のとっておき】 橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」の事実上の次期衆院選マニフェスト(政権公約)となる「維新版・船中八策」(たたき台)が明らかになり、与野党各党からは評価する声の一方で、批判も出ています。批判の多くは「実現できるはずはない」というものですが、私はそうは思いません。これまでの政治が本気で取り組んでこなかっただけの話であって、その観点から既存政党は批判する資格はないと思います。
明らかになった「維新版・船中八策」は、行財政改革や経済・財政、外交・安全保障などのほか、首相公選制や参院廃止も含めた参院改革など憲法改正を必要とする政策も盛り込んでいます。目指すところは「決められない政治」から「決める政治」への転換で、そのこと自体は私は大賛成です。
これに対し、安住淳財務相は「現実の政権運営は国民の暮らしと日々向かい合いだ。中長期的な『べき論』を言っている段階ではない」、自民党の石原伸晃幹事長も「参院廃止も首相公選制も言うのは簡単だが、憲法改正の過程がないと成就しない」と批判的な見解を示しました。
しかし、こうした「実現できるはずがない」という批判を、既存政党とくに民主、自民の二大政党の議員がする資格はありません。
そもそも綱領に「新憲法制定」を掲げる自民党の幹事長が、「憲法改正は難しいから実現性がない」という趣旨の発言をするのは、自己否定しているようなものです。昭和30(1955)年に保守合同で自民党が誕生したのは、「自主憲法制定」を目指したからにほかなりませんが、その後、自民党は本気で憲法改正を実現しようと取り組んできたとは言えません。
その点でいえば、「維新版・船中八策」は、憲法改正についても道筋を示しています。それは憲法96条の発議要件を国会の「3分の2以上」の賛成から「2分の1以上」の賛成に緩和するということです。
私は「早期に憲法を改正すべきだ」と考える一人ですが、その厚い壁になっているのが、96条の発議要件です。一度に理想的な憲法改正が実現できれば、それにこしたことはありませんが、改正の一言一句まで国会の3分の2以上の賛成を得るのは、現実の政治では不可能と言わざるをえません。したがって、私はまず1回目の改正は、96条の発議要件の緩和のみを行って、抜本的な改正はその後に行うべきだと考えています。これなら、かなり実現性はあるのではないでしょうか。
さらに、発議要件が国会の2分の1以上の賛成になれば、各党とくに政権獲得を目指す政党は、憲法をどう改正するのか示さざるをえなくなります。すると、党内や国会での憲法論議も「机上の空論」ではなく「現実の論議」となり、国民も憲法改正を真剣に考えるようになるでしょう。
昨年6月にようやく民主、自民両党などの保守系議員が「憲法96条改正を目指す議員連盟」を設立しましたが、これはあくまで有志議員であって、両党が党として方針を決めているわけではありません。こうしたことを考えると、やはり民主、自民両党に「維新版・船中八策」を批判する資格はありません。
首相公選制や参院廃止も含めた参院改革などは、発議要件の緩和によって憲法改正の実現性を高めたうえで、議論すればいいと思います。私も首相公選制や参院改革については意見がありますが、まずは真剣に議論することが重要です。そして、憲法改正は発議されれば国民投票が行われますから、最終的に決めるのは国民です。これらの「国の意思決定システム」をどうするか、国民の判断に委ねることはいいことだと思います。
一方、安住氏のような「中長期的な『べき論』を言っている段階ではない」という批判は、まさに民主党が政権政党としてふさわしくないことを示しています。
民主党は党の理念と基本政策を示した「綱領」をもたないまま、個別政策をマニフェスト(政権公約)に掲げて政権を獲得しました。しかし、同党は理念と基本政策で一致していませんから、普天間移設や消費税増税など国の根幹にかかわる重要問題ほど、党内では意見がまとまりません。また、中長期的な「べき論」がないまま、個別政策を決めていたら、国家としての整合性がとれなくなります。
それこそ民主党政権が混乱している要因です。そんなことも分からないで、安住氏が財務相を務めているとしたら、国の根幹である財政政策を任せるわけにはいきません。
さらに安住氏は「現実の政権運営は国民の暮らしと日々向かい合いだ」とも語りましたが、マニフェストに掲げた政策をほとんど実現できていない民主党は、まさに政権政党失格です。
「維新版・船中八策」に対して、民主、自民両党からこうした反応が出るのは、両党が今の「決められない政治」に安住し、党利党略ばかりを考え、「決める政治」を行う意思がないからにほかなりません。二大政党である両党の議席数を考えれば、両党が国家、国民のことを考えて本当にやる気になれば、憲法改正だけでなく、さまざまな重要課題も解決できるのですから。
しかし、国民は今の「決められない政治」に辟易(へきえき)としていて、「民主党もダメだが、自民党もダメ」という閉塞(へいそく)感に満ちています。そうした中で、賛否両論を巻き起こしながらも、大阪都構想や大阪市改革に果敢に取り組む橋下氏に、人気が集まるのは当然のことでしょう。
橋下氏や同氏率いる「大阪維新の会」の人気は「一過性のもの」「地域的なもの」ととらえる向きもありますが、私はもっと根源的な要因があると思っています。したがって、もし民主、自民両党が「決められない政治」を続けたまま、衆院解散・総選挙が行われたとしたら、両党とも過半数の議席には大きく届かず、「大阪維新の会」をはじめ保守系の第3勢力が一気に勢力を拡大することでしょう。
もし、それを機に政界が再編成されるなら、いいことではないでしょうか。私はもはや民主、自民両党の二大政党の枠組みでは、日本の政治は「決められない政治」から「決める政治」に変われないと思っているからです。
もし、民主、自民両党が二大政党として生き残ろうと思うなら、自らが変わらなければならないラストチャンスだという危機感をもつべきです。橋下氏にすり寄ったり、自己否定につながる人ごとのような批判をしている場合ではありません。
(この記事は政治(産経新聞)から引用させて頂きました)
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2012/1/4広島経済界のトップに聞く
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「1票格差」違法状態に=遠のく合意、解散時期に影響も―衆院選挙制度
衆院選挙制度改革で与野党の溝が埋まらないまま衆院選挙区画定審議会(区割り審)設置法が定めた勧告期限の25日が過ぎ、1996年に小選挙区比例代表並立制が導入されてから前例のない違法状態に入った。各党は実務者による協議会で決着を急ぐとしているが、「デッドライン」が消え、合意への機運は遠のいた。政治の機能不全が露呈したことで政党不信が加速するのは確実で、野田佳彦首相の解散戦略にも影響する可能性がある。
実務者協議会の座長を務める民主党の樽床伸二幹事長代行は25日、名古屋市内で記者団に対し「立法府に身を置くものとして、国民に申し訳ないと思う。一日も早く是正したい」と陳謝した。
違法状態を回避する最後の機会だった22日の各党幹事長・書記局長会談では、第1党の民主党が勧告期限の延長案を提起するとの見方が多かった。しかし、輿石東幹事長は「『1票の格差』の違憲状態が続く以上、勧告期限を延長しても意味がない」と独自の論理を展開。何の手だても講じない流れとなり、民主党からも「恥ずかしいし、情けない」(若手)との声が上がった。
(この記事は政治(時事通信)から引用させて頂きました)
衆院選挙制度改革で与野党の溝が埋まらないまま衆院選挙区画定審議会(区割り審)設置法が定めた勧告期限の25日が過ぎ、1996年に小選挙区比例代表並立制が導入されてから前例のない違法状態に入った。各党は実務者による協議会で決着を急ぐとしているが、「デッドライン」が消え、合意への機運は遠のいた。政治の機能不全が露呈したことで政党不信が加速するのは確実で、野田佳彦首相の解散戦略にも影響する可能性がある。
実務者協議会の座長を務める民主党の樽床伸二幹事長代行は25日、名古屋市内で記者団に対し「立法府に身を置くものとして、国民に申し訳ないと思う。一日も早く是正したい」と陳謝した。
違法状態を回避する最後の機会だった22日の各党幹事長・書記局長会談では、第1党の民主党が勧告期限の延長案を提起するとの見方が多かった。しかし、輿石東幹事長は「『1票の格差』の違憲状態が続く以上、勧告期限を延長しても意味がない」と独自の論理を展開。何の手だても講じない流れとなり、民主党からも「恥ずかしいし、情けない」(若手)との声が上がった。
(この記事は政治(時事通信)から引用させて頂きました)