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2025 .07.15
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日本は円高受け入れへ政策の大転換をすべき



 7月21日、EU(欧州連合)首脳会談でギリシャへの追加支援策が基本合意された。8月1日には米国で連邦政府の債務上限引き上げと財政赤字削減について政府と議会の交渉が期限ギリギリで妥結した。しかし、問題そのものは何ら解決していない。



 ギリシャにはリスケジュールが適用され、事実上、デフォルト状態に陥った。「3カ月に一度、ギリシャの財政・構造改革を審査するたびにユーロをめぐる騒動が繰り返される。EFSF(欧州金融安定ファシリティ)の枠増額が先送りされたので、市場が再びイタリアやスペインのソブリンリスクを試す展開が予想される」(ニッセイ基礎研究所・伊藤さゆり主任研究員)。



 米国は、家計部門が抱え込んだ負債を減らしていかなければならないが、財政には今後10年間で1兆ドル近く、加えて13年以降の10年間で1・5兆ドルの歳出カットという制約が課されたため、調整は厳しいものとならざるをえない。景気と雇用に圧力がかかり続ける。



 こうした状況下で円高(ドル安)が進むのは避けられない。しかし、輸出企業の声が大きく円高恐怖症の日本にあっては、すぐに日本銀行の金融緩和や政府の円売りドル買いの為替介入を求める声が出る。



 こうしたことはやめるべきだ。構造的要因から円高への流れを変えられないばかりか、さらに産業構造の改革を遅らせる。介入に頼れば政府はドルを追加的に抱え込み、円高が進むことで評価損が膨らみ、国民負担が増す。



 ソブリン危機の原因を振り返れば米国発金融バブルだ。欧米でマネーがあふれ返り、それがサブプライムローン証券化商品のデフォルトをきっかけに一気に崩壊した。民間のバランスシート調整を財政出動で支えたために、政府の赤字が膨らんだ。



 さらに、バブルの根源をたどれば経常収支の不均衡に行き着く。



 借金を重ねて消費を拡大し続けることで米国は経済成長してきた。基軸通貨国であり、ニクソンショック(1971年)で金の縛りから解放されて以降は、必要なら紙幣印刷へ輪転機を回す。95年以降は強いドルを標榜して資本流入を促した。



■根源に日本の黒字蓄積



 一方、日本は戦後、輸出によって外貨を積み上げてきたが、外貨準備が十分な額に達し、プラザ合意で円高による修正を迫られても、内需型・消費型への構造転換を果たすことができなかった。輸出志向、円安志向が消えない。円高のたびに金融緩和策や為替介入を繰り出してきた。円キャリートレードで余った資金が世界に回った。



 日米とも不均衡を放置したまま、金融緩和に過度に頼り、バブルを発生させることでしのいできた。この構造はリーマンショック後も変わらないどころか、財政が手詰まりになる中で、金融緩和への政治的な圧力が高まり続けた。



 金利政策が限界に達し、中央銀行は量的緩和を採用しただけでなく、自ら信用リスクを取って財政政策に踏み込むまでになった。米国の“QE2(量的緩和第二弾)”も日本の“包括緩和”も麻薬のようなものだ。本質的な問題を放置したままで中毒患者となっている。



 日本の金融市場に格付けを導入したエコノミストの三國陽夫氏は、日本が経常黒字をドルのまま米国に預け、資本流出させていることが90年代半ば以降の日本のデフレ・低成長の原因であると主張してきた。



 「経常黒字の拡大という政策が成功すると円高になる。円高を嫌がってドルを円に換えて回収せず、米国にドルで貸したままにすれば、購買力が米国に移転して流動性不足を生じ、国内の投資・消費を減少させるので、所得減退と消費減退の罠(わな)に陥りデフレ・低成長になる」と説明する。



 こうした状況下で日銀が金融緩和を行っても、資金は国内に回らない。つまり、経常黒字を積み上げることが自らの首を絞めているというわけだ。



 日本の対外純資産は2010年末で251兆4950億円。経常黒字を積み上げ続け、世界最大の純債権国の座を20年保ち続けている。円高で09年よりも15兆円近く減ってもなお、2位に迫る中国と100兆円超の開きがある。一方、米国は経常収支の赤字を続け、252兆円(09年末)の世界最悪の純債務国である。



■ボロボロの外為特会



 野口悠紀雄早稲田大学大学院顧問は、東日本大震災直後の円売りドル買いの為替協調介入について、「震災で家が失われたら、貯金を下ろして家を建て直すのが常識なのに、ガイトナーという支店長が怖くて貯金をさらに積み増した」と揶揄する。



 JPモルガン・チェース銀行の佐々木融債券為替調査部長は、「政府は為替介入のために110兆円余りを借り入れて外債に投資する円キャリー取引を行い、外国為替資金特別会計には、30%以上に当たる40兆円近くの含み損を抱えている」と指摘する。



 「きちんとクーポンをためていたら、収支はトントンになるが、クーポン収入を使ってしまっているので含み損状態になっている」(佐々木氏)。外貨準備の額は復興に必要とされる10兆~20兆円を軽く上回るが、外貨準備を取り崩したら一気に損が表面化する。これが“埋蔵金活用”とされる事柄の本質だ。



 野口氏は「そもそも財務省は外貨をTB(短期国債)で運用しているので、過去の平均運用利回りは3%でしかない。10年債を買えば5%は実現できていたはず。対外関係をめぐっては信じられない愚かなことが行われている」と批判する。



 輸出企業にとってはマイナスでも、国民としては購買力を増す自国通貨高を喜ぶのが世界の常識だ。国民を挙げて、自国通貨高を嫌なことのように語るのは、日本だけだ。いいかげんに米国に貢ぐ立場から降りて、輸入を増やし国内消費を増やして債権大国らしい豊かな生活を志向できないか。



 貿易黒字が縮小ないし赤字になっても、経常収支は簡単には赤字に転落しない。投資による所得収支が年間12兆円ある。これを消す12兆円もの貿易赤字に陥るにはかなりの時間がある。



 確かに、輸出企業が海外に生産を移転すれば、国内の雇用は厳しくなる。しかし、すでに輸出企業は雇用吸収力を失いつつある。03~07年に円安をテコに輸出は伸びたが、雇用は非正規労働にシフトし、賃金は下がり続けた。



 野口氏は、「新興国の工業化によって、もはや先進国のやるべき仕事ではなくなったモノづくりを続けていることが問題。生産性の高いサービス業が育っていない」と産業構造の問題を指摘する。



 輸出→円高→賃下げの悪循環から脱する構造転換が急がれる。



(シニアライター:大崎明子 =週刊東洋経済2011年8月13・20日合併特大号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。





(この記事は経済総合(東洋経済オンライン)から引用させて頂きました)









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【FX経済指標】2011年8月29日★23時00分:米)中古住宅販売保留

















【FX経済指標】2011年8月29日★22時05分:欧)トリシェECB総裁の証言

















報道原人「復活!日本経済 V字回復なるか?」3/3











野田首相「これだけはやめて」有権者の願いは…



 日本の新しいかじ取り役となった野田佳彦新首相。景気回復に震災復興、原発事故など、問題は山積している。東日本大震災の復興費や社会保障費を賄うため消費税を含め、増税を主張している野田新首相だが、「ぜひやってほしいこと」、逆に「やってほしくないこと」を各地の有権者らに聞いた。



 「憎まれ役を買って出ても持論の増税に向けて道筋をつけるべきだ」と話すのは奈良市北登美ケ丘の主婦、八ツ尾美佐子さん(62)。「国が財政破綻する前に有効策を講じてほしい。当初からきちんと増税の必要性を明言する野田さんは立派だ」と期待する。



 大津市桜野町の無職、清水昭夫さん(64)も増税に賛成する。「若者のために年金や雇用対策を充実させてほしい。私たちは年金で最低限の暮らしが保証されているが、孫の世代はそうではない。強いリーダーシップで与野党をまとめてほしい」



 これに対し、「消費税アップだけはやめて」というのは神戸市灘区の主婦、楠見千栄子さん(65)。「不景気で収入は減る一方なのに、食品や生活用品は値上がりし、家計のやりくりが大変。急激な増税は生活が成り立たなくなる」。奈良市八条町の会社員、金井良成さん(32)も「消費税増税は止めてほしい。減税による景気回復に政策転換して」と増税には反対する。



 「原子力発電所の安全対策を万全にしてほしい」と注文するのは、滋賀県彦根市大藪町のリサイクル業、箱森昌太さん(26)。「滋賀は原発がある福井の隣県で、近畿の水がめの琵琶湖が放射能に汚染されれば大きな打撃だ。原発は災害に耐えるようにし、自然エネルギーへの転換を進めてもらいたい」と話す。



 和歌山市の飲食店経営、小川伸也さん(32)は「福島第1原発の事故収束を含め、震災復興に全力を尽くしてほしい」と指摘。「被災地ではまだ困っている人が多い。党内の派閥争いより、被災者に目を向ける政治が必要だ」。京都市下京区の大学1年、原千尋さん(19)も「今まで以上に被災地の復興支援につながる政策を早急に実行してほしい」と求めた。



 経済対策のてこ入れを求めるのは、兵庫県芦屋市の会社員、高嶋隆弘さん(58)。「震災復興も経済が立ち直らないと進まない。実効性のある方針をすぐ打ち出し、世界から取り残されないようにしてほしい」と期待する。



 京都市上京区の主婦、吉田鮎子さん(69)は、民主党の衆院選マニュフェスト(政権公約)に注文をつける。「国民に約束した公約はきっちり果たしてもらいたい。娘も『子ども手当を頼りにしていたのに…』と話していたが、民主党に嘘をつかれたと思っている人は大勢いるのでは」



 一方、新政権に冷ややかな意見も。大阪府貝塚市の会社員、広本正秀さん(46)は「どうせ短命内閣で終わるだろうから、何も期待していない」と話した。





(この記事は社会(産経新聞)から引用させて頂きました)









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